矯正歯科治療は、主に歯並びの治療を行います。
歯にブラケットとワイヤーをつけて、ゆっくりと歯を動かす治療を想像される方が多いと思います。
実際、歯科治療は2~3年かけて、長期の治療で歯を動かす方法が多いですが、実はそれ以外にも様々な手法があります。
治療を受けられる方のタイミングや年齢、顎の状態を見て一番合った治療法を、歯科医師が提案してくれます。
矯正歯科治療は、主に子供に受けさせる小児矯正と大人になってから受ける成人矯正があります。
昔は歯科治療は子供に受けさせるものというイメージがありましたが、最近は違います。
矯正は大人になってからも受ける事ができるのです。
小児矯正とは
小児治療は、子供のうちに歯並びを直したい方が受けることができる治療です。
大人になってから治療を始めるには、色々面倒な事が多く、時間的な負担も大きいのが実情です。
歯列矯正は、子供のうちに受けておいたほうが、後々が楽になるメリットもあります。
小児矯正治療をどのタイミングで始めるべきか、お悩みの親御さんも多いと思います。
小児矯正治療の開始時期については、歯科医師にまずは相談されることをお勧めいたします。
大まかな知識としては、小児矯正は顎の骨などのバランスを考えて治療する必要があるため、1期治療という骨格矯正と、永久歯が生えそろってから行う2期治療である歯列矯正を行うのが通常です。
これらの矯正治療を合わせて行います。
年齢によって、治療に必要な費用や、治療方法も変わります。
一期治療を行うタイミングは、永久歯が生えそろう6歳~10歳ぐらいまでに治療することをお勧めしています。
それ以降になると、歯を抜いて治療する必要があるため負担が増えてしまいます。
成人矯正とは
成人矯正は、2期治療である歯列矯正を中心に行う治療です。
従来は成人矯正はあまりお勧めしておりませんでしたが、近年になって治療技術が進歩し、大人になってからの治療を受ける人が増えてきています。
社会人の方で人の目に触れる前歯などに装置を付けたくない方などが、歯の裏側に装置を付ける治療法を選べるようになるなど、治療のバリエーションは増えています。
最近は矯正装置が小さくなり、効率的に治療できるようになっています。
昔の矯正装置をイメージしている方は驚かれるかもしれません。
ただし、成人矯正は小児矯正とは違い、顎の骨格などの矯正はできません。
顎が狭く、歯を動かすスペースが無い方は、歯を抜歯して治療することがあります。
外科矯正とは
歯並びが悪い方の原因として、顎の骨格に原因がある場合が多いです。
顎の大きさや形が悪いせいで、それに伴って生えてくる歯並びが悪くなることがあるので、顎の骨から手術をして顎の骨のバランスを整えていく治療法があります。
ただしこの場合は外科手術が必要になり、これらの外科手術と合わせた矯正を外科矯正と呼びます。
骨格が原因で下顎が前に突き出したような「受け口」のようになっている方や、出っ歯や顎変形症が見られる場合外科矯正という手段を取る事があります。
セラミック矯正について
歯列矯正以外にも、歯並びを修正する治療方法があります。
それは補綴矯正(ほてつきょうせい)ともよばれ、セラミック矯正と呼ばれる手法です。
どのような治療法かというと、歯並びの悪い歯の形そのものを整えて歯並びを改善する方法で、歯を削って行う治療です。
削った歯の上に、綺麗な歯並びになるように見せるセラミックの人工歯をかぶせます。
また、前歯に少しだけ隙間があって気になる、というようなワンポイントでの歯列矯正も対応できます。
セラミック矯正は、目立つ箇所だけ治療したい方や、あまり長く治療期間をかけれない方などにおすすめしています。